西水美恵子さん講演「国をつくるという仕事」

日本が世界に誇るリーダである、西水美恵子さん(元世界銀行 副総裁)の講演を聴きに行ってきました。
以前拝読して深く感動を覚えた「国をつくるという仕事」の著者で、前から直接お声を聞きたいと思っていました。
国をつくるという仕事(西水美恵子著) - Buena Vistaの日記


国をつくるという仕事

国をつくるという仕事


講演は「貧困の原因は悪政であること」、「ブータンのすばらしい政治」、、「これからの日本をつくる心構え」と続き、終始その雰囲気に圧倒されあっという間に時間が経ってしまいました。今までこのような講演会に参加していませんでしたが、直接話を伺うことの重要さを感じました。

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ブータンのすばらしい政治についてはジグミ・シンゲ・ワンチュク第4代国王の国および国民への姿勢について触れられ、「幸福の追求という思想」「健康な民は国づくりの要という思想」「大国の中国・インドに囲まれているという危機感」が基本の思想になっていること、また国家のVision ”BHUTAN 2020:A Vision for Peace, Prosperity and Happiness”の紹介がありました。

Web上で公開されていますので、早速読んでみました。

− Part1 http://unpan1.un.org/intradoc/groups/public/documents/apcity/unpan005249.pdf
− Part2 http://unpan1.un.org/intradoc/groups/public/documents/apcity/unpan005250.pdf

全文英語ですが、まずPREFACEで

Without a vision, we are unlikely to choose the right direction and pace of development.
Visionがなければ、成長の正しい方向や歩調を選択できる見込みはない)

と当たり前ながら最も基本的で大事なことの記載があり、そして以下の様に経済成長だけに偏らない国のVisionが書かれています。

we require to continue to raise standards of living and the quality of life as well as to expand the level and pace of economic activity.
(私達は生活水準、生活の質の向上を経済成長の段階、速度の拡大と同様に継続的に要求する)

このVisionが国政だけでなく、国民全員に浸透している様で本当にすばらしい国だと思います。



また、ジグミ・シンゲ・ワンチュク第4代国王は世界中の憲法の中で日本国憲法第13条;

すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

を気に入られているとのことで、日本もすばらしい憲法があるのだから、それを実際の国つくりに生かしていかなければならないと思います。

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「これからの日本をつくる心構え」として誰かに頼るのではなく国民ひとりひとりが考え、努力していくこと、つまり

ひとりひとりのリーダシップにかかっている

とのことでした。東日本大震災の復興が急がれますが、まさに上記内容が大事になると思います。