未来を予見する「5つの法則」(田坂広志著)

未来を予見する方法として「弁証法」を挙げ、それぞれの法則について説明されていますが、その中で「矛盾の止揚」という内容に心が留まりました。このことを

マネジメントの本質は「矛盾のマネジメント」である

とも言い換えられています。


少し以前までは全てのモノゴトに白黒はっきり付ける風潮が蔓延していましたが、サブプライムローンを発端とする金融危機で世の中はそんな風にできていないことが表面化し、世界中のみんなが気づき始めたと思います。

割り切って白黒決めてしまうとモノゴトを進めるのは早くなるかも知れませんが、それではモノゴトの全体像の一部分しか見ないことになる危険性があり、また多くの反発を生むことになります。

一方、割り切らず矛盾を包含していくモノゴトの進め方が進行が遅くなりますが全体を見た上での最適な決定に近づく様になると思います。

このような考え方は父的な西洋的思想より母的な東洋的思想に合っている様に思え、これからは東洋的思想が世界を引っ張っていく、そう感じます。

現在、東日本大震災福島第一原子力発電所の事故など日本が直面している大きな課題についても全体を見た対策を講じる必要があると思います。