「空気」の研究(山本七平)

「多様性」という言葉は”幅広く性質の異なるものが存在すること”という意味で、最近では「生物多様性」が国際的な議題になっている。「多様性」は大事なんだと。

”人”に焦点を合わせると出身国が異なる人たちが集るアメリカなども「多様性」がある。「多様性」のある国はある種の強さを持っていると感じる。



一方、日本人は自分達の中での「多様性」を認めているのだろうか。日本人はたった4種類の血液型で性格を分けたがるし、朝の12星座占いも大好きだ。
一方、他人と違うことをする人に冷たい。

そういう意識が日本人にはあるのだろう。それが「空気」を醸成しやすく、「水」を差すことが難しくなる遠因なのかも知れない。

今、日本はある「空気」に満たされている。その「空気」に対して「間違っている」「もっとこうすれば良い」と思えばどんどん「水」を差すことが求められている。
「多様性」は「空気」に比べると複雑で面倒で大変だ。でも、日本国を発展させるには必須だと思う。太平洋戦争の時と同じことを繰り返さない為に。



「空気」の研究 (文春文庫 (306‐3))

「空気」の研究 (文春文庫 (306‐3))