これからの原子力発電(Nuclear's next generation)

The Economist(Dec.12-18.2009)の特集記事(Technology Quarterly)に新しい原子力発電方式についての記事がありました。
Argonne研究所のTop page(News)にもリンクが貼られてありましたので、少し書きますと

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1.既存のPWRに代わる第4世代"generation IV"の有望な方式は6種類ある。
 - SCWR (supercritical water-cooled reactor)
 - VHTR (very high temperature reactor)
 - SFR (sodium-cooled fast reactor)
 - GFR (gas-cooled fast reactor)
 - LFR (lead-cooled fast reactor)
 - MSR (molten salt reactor)
2.それぞれ実現への道のりに差はある。(今のところSFRが有望とのこと)
3.既存のものより高効率で運転できる・2次系(Secondary loop)が不要になるなどのメリットがある。
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技術的な問題としては「高温・腐食に耐えうる材料」が一つに上がっており、太陽熱発電などもそうですが、新材料の開発がボトルネックになりそうです。日本は国家としての戦略は全くお粗末と思いますが、個々の技術力は世界のトップレベルにありますので、そういう分野でその強みを発揮して欲しいと思います。

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ただ、こういう技術革新の記事を読むといつも思うのですが「既存のものを上手く使っていく」という観点が足りない様な気がします。最初の車検を迎える前に新車を購入する、と同じ様な感覚を覚えます。経済が発展する為には新しいものをどんどん開発・建設していくことが必要なのかも知れませんが、「既存のものを上手く使っていく」技術も大きく取り上げて欲しいと思います。
一方、新規開発・新規建設を止めてしまうとそれに関わる技術・経験の伝承ができないので伊勢神宮の「式年遷宮」の様な仕事ももちろん必要だとも思います。その比重が難しいところとは思いますが、能動的に決めていかないと世の中の流れに流されていくことも事実だと思います。

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あと、その記事の横にMETI経済産業省)とJETRO日本貿易振興機構)の広告がありました。。。日本に関連する広告はほとんど見た事がありませんでしたが、まさかMETIJETROの広告を見るとは。日本政府も力を入れだしたのでしょうか。