危険不可視社会(畑村洋太郎著)

日頃感じている「安全」に対する世間の見方や対応に居心地の悪さを感じていたのですが、この本を読んでその居心地の悪さの原因が理解できた様な気がします。
「安全」に絶対はなく、可能な限り「安全」な環境を作り出していくと言う本来の考え方が影を潜め、「”絶対”安全」を信望する世の中の風潮はある面で社会にとって非常に不利益になっているという点で非常に同意できます。

現在、世の中のモノを見てみるとほとんどが機能を発揮する為に電子制御されており、その「安全」を実現するのも電子制御で行われています(本著で言う”制御安全”)。その為に普段、使用者はなにも考えずにモノを利用できますが、その制御の内容が絶対であるわけではないこと、想定していない事が起こると"制御安全”は対応できないことを世の中が認識する事が大事なんだと思います。


畑村創造工学研究所