ヨーロッパ−電力供給網の未来

現在ヨーロッパではエネルギ供給元の多様化を進めており、その中でドイツ企業が主になって推し進めているDesertec(Desert(砂漠)+Technology(技術) Desertec - Wikipedia)がSwiss infoで紹介されていました(砂漠の太陽をヨーロッパに? - SWI swissinfo.ch)。

太陽熱発電(Concentrating Solar Power)と風力発電(Wind Power)を中心に北アフリカ一帯に発電所を建設し、そこで発電した電力を高圧直流送電(High Voltage Direct Current:HVDC)でヨーロッパに届けるという構想。

現在主要なエネルギー源の一つである天然ガスは主にロシアを経由していることからロシアの”Political Weapon”として利用されることもあり安定供給に難がある為、他ルート(Nord Stream - WikipediaNabucco pipeline - Wikipedia)の開発が進められていますが、Desertecが実現すればエネルギー安全保障上、大きな役割を果すことになります。
(送電距離がかなり長いことから送電ロスは大きく、また直流-交流変換設備への投資も莫大なものになると予想されます。また、指摘されているように政治的な問題も調整に難航すると予想されます。)

一方、その巨大な電力網の安定性向上を担う大規模な水力発電所建設が進められています。AlstomがSwissに合計1628MW(157MW×4台+250MW×4台)の可変速揚水発電所(Variable Speed Pumped Storage Plant)を建設するとのこと。(http://www.power.alstom.com/pr_power_v2/2009/october09/55669.EN.php?languageId=EN&dir=/pr_power_v2/2009/october09/&idRubriqueCourante=32205&cookie=true)。

EU一体となって戦略的に進めているという印象を強く受けました。